目指すもの

1.木工の今

現代の木工はその存在意義がそもそも薄弱な仕事です。木工という言葉が死語になりつつあるとも言えます。個人作家が細々と手わざを伝えていかないと消滅してしまう、絶滅危惧種のような存在かもしれません。

本来、木工の技術が必要になる建具や家具は会社組織が営利目的に工場で作るものになってしまいました。顔が見える相手に普段使いの、真っ当なものを届けようという考えではなく、営利だけが目的になると、新奇なもの、豪奢なもの、うまく宣伝しイメージを定着できたもの、安く粗悪で会社にとって利益になるが社会・環境に悪影響なもの、そんなものばかりが生み出され巷にあふれていきます。そこに手わざの介在の余地はありません。

2.木工を生業とすること

私のような個人作家の社会的役割は、美を中心とした制作のみをし、今の市場原理の中に方法を探さないことだと思います。そして、時代と流行に背を向け、伝統と歴史と自然に向き合い、個性が消える去るまで技術と知識を蓄え、いつの日か自然を透過し自然の意思を具現化できる人間になりたいと願っています。木工は、頭と体をバランスよく使う気持ちの良い仕事です。

高価で珍しいものや奇抜な形のもの、素材としての木材に不向きな形の物は作りません。私が作るものは職人であれば誰にでも作ることができるものです。普遍的な造形、身近な素材、この二つが制作における重要なテーマです。

3.作者略歴

1981年生まれ。木工の基礎を職業訓練校木工科で学び、家具什器製作会社にて機械工具の使用法や 現場仕事を経験。造形手法は日本・世界の工芸品、建築を通して勉強しています。

このページの先頭へ


トップページへ


© 2021 ナカムラ木工