家具選び

1.生活と自分

木で家具を作っている一人として、家具の選び方を考えてみたいと思います。現代の日本人はいろいろなスタイルを取り入れる人がほとんどで、伝統的な生活をしている人はいません。伝統的というのは、信仰に基づいていたり、民族のしきたりに基づいていたり、要するに様式を持っているということです。私も典型的な現代の日本人で、椅子に座ったり床に座ったりします。要するにパッチワークのようなライフスタイルというわけです。

2.素材と単純さ

もしあなたが様式に則した生活をしているのであれば、それに適した物を所有すべきです。では、様式が無い私のような人間は何を持てばよいのか。メディアの広告に左右されずに、見た目に騙されずに賢く選びたいところです。ここでは無難な話しかできませんが、素材を大切にしたもの、単純なもの、を選ぶことをお勧めします。依るべき信仰や様式が無い場合、やはり自然が生み出したものに頼ってしまうのが、失敗が無い方法でしょう。単純さとは、シンプルとは違い、見た目の簡素さではなく、構造の簡潔さを指します。複雑な機能や余計な装飾を持たない物を選ぶようにしてください。

3.実際の選び方

椅子などの人体系の家具は、工業デザイナーがデザインし工場で管理・生産された物を選ぶとよいです。木か鉄でできたものになるでしょう。人間の重さと体の使い方に密接に関係があるので、個人では良いものを作ることがきわめて難しいからです。(例、トーネット、ウェグナー) 棚、テーブルなどの「面」が多い置き家具は、我々のような個人の制作者に簡単な絵を書いて制作を依頼してください。その際に気を付けることは、その制作者自身が良き生活者であること。スタイルの違いはありますが、生活に注目して真剣に考えている人に仕事を頼んでください。木は扱いが難しく、複雑な機能を持った物を作るには適した素材ではありません。少しぐらい反ったりしても構わない、テーブルや棚が木工品には適しています。

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