生活のこと

1.生活と道具

人間は生きている限り生活をしなければいけません。貧富の差、地域格差、運の要素もありますが、それぞれに生活をしていて、それに優劣を付けることはできません。貧しくても文化的で健康な生活をしている人もいますし、収入は十分なのに自堕落で放漫な生活に身を落とす人もいます。幸い現在の日本は、余程のことがない限り「生活」が脅かされることはありません。これはありがたいことです。

生活をするためには道具が必要です。生活に使う道具は飾り物では無く使うものです。使うものはまず使いやすくなければいけません。これは当然のことなんですが、生活自体が飾り物になりつつある昨今、使いやすい生活の道具に出会うことは難しくなりました。表面的に便利で効率が良いものは、私たちの生活から、必要な知識や技術を奪っていきました。生活に関する知識や技術が無い人は、良いものを選ぶことができません。使い方がわからない、使いこなせないからです。名工が打った包丁を手にしても、適切に研いで使える人はほんの一握りです。

2.生活は意思表示

消費は選択であり意思表示です。どこでどのようにお金を使うかは、社会にこうあってほしいという意思表示であり、何よりも大きな実際の行動になります。私は、国会前でデモをするよりも、自分の生活を見つめなおし正すことを優先したいです。他人や社会はそう簡単には変わりません。だけど、自分の生活を律し、正しい選択をし、小さくとも意思表示をすることは今すぐにできます。私は常にそのことを考えて生活をするようにしています。たとえどんな小さな物やサービスを買うときにでも、それは私が理想とする社会に在ってしかるべきものなのかを考えるわけです。

使い捨ての文化はやはり豊かとは言えないでしょう。使い捨てされる物を作り、流通し、販売している人たちの生そのものも、使い捨てされています。豊かさとはなんなのだろうかと問いただしたとき、やはり自分を大事にし、他者を大事にすることだと、私は考えています。私は人間の生を大事にしたいです。誰一人使い捨ての人生を生きてほしくないです。それを、手にする物、手にした物を通して実践したいと考えています。大事に丁寧に作られた物を、大事に丁寧に使いたい、使ってほしい。ただそれだけなんだけど、それが人と社会、延いては未来を大切にすることにつながるのではないでしょうか。

3.良き道具と生活を

良き道具はあなたの生活を価値あるものにしてくれます。そして、良き道具を選ぶことは社会を価値のあるものに変えていきます。溢れる情報に躍らせれることなく、自分の頭で考え選択していく姿勢を大事にしたいと、私は日々感じています。それはたやすいことではありません。誘惑も多いですし、学ばなければいけないことも多すぎます。ですが、生活を高めることは、生きている意味や存在価値にも直結する重大なことです。良き生活を求め、良き道具を求めてください。私にそのお手伝いができたら幸いです。

このページの先頭へ


トップページへ


© 2021 ナカムラ木工